甲斐路は紅く染まり
- 英米法研究会 企画・広報担当
- 2024年12月12日
- 読了時間: 4分
更新日:1月30日
こんにちは。英米法研究会 企画・広報担当です。12月も初旬となり、秋が終わりを告げ本格的に冬の訪れを感じさせるような時期になってまいりました。明治神宮外苑の銀杏並木も11月末頃には見頃そのものだったのが、12月に入ってからというもの上の葉がみるみるうちに散っていき、秋の終わりを思わせていたものです。
さて、2024/11/2(土)、および11/3(日)に茗荷谷キャンパスにて開催された第29回 英米法研究会模擬陪審裁判においては、たくさんの方々にお越しいただきました。陪審員の皆様には改めて、この場をお借りして御礼を申し上げます。
今回の題材は、「精神障害を持つ者の犯罪における責任能力」でした。裁判長からの最終説示でもあった通り、今回審理された事件は2019年に発生した、アニメーション制作会社「京都アニメーション」に対する放火・殺人の事件が元となったものです。陪審員の皆様による公平・公正な判断の結果、両日ともに被告人 岩田 誠に対して「有罪」の評決が下されました。結果の詳細な集計等が完了しましたので、本記事、およびSNS上にて評決の割合等に関するグラフを掲載しております。

1日目はあいにくの雨の中での白門祭、また、技術的トラブルを抱え、陪審員の皆様にご迷惑をおかけしながらの裁判とはなりましたが、それでも昨年度と同等程度の人数を記録することができました。来年度以降は同様のトラブルのなきよう、確認等徹底してまいります。
評決結果としては私どもの想像していた以上に有罪、無罪の判断がはっきりとわかれながらも僅差で有罪となり、陪審制の特徴が大きく表れたと実感しております。

そして、晴れ空の下で迎えた2日目には法廷内に用意した陪審席の大半を埋め尽くすほど多くの皆様に陪審員としてご参加いただきました。なかでも2日目に関しては、開廷前の時間帯に特大教室(1W01)にて開催された俳優 井上裕貴さんのスペシャルトークショー『井上裕貴のゆうき100%』終了直後に直接法廷に足を運んでくださった陪審員の皆様もいらっしゃいました。結果に目を向けてみると、前日とは打って変わって圧倒的に有罪の判断を示した陪審員が多くを占めました。
両日で出された評決について、陪審員の皆様には任意でその理由についてもお書きいただきました。やはり、犯行中/裁判中の被告人の発言や行動、精神鑑定の結果に着目した陪審員が多い印象でした。

また、評決後に回答いただいたアンケートにて、皆様が特に印象に残った役をお答えいただきました。最多得票は検察官役でしたが、特筆すべきはやはり弁護側証人②、情状証人として出廷した被告人の母親 岩田 幸子役といえるでしょう。証言台での受け答えや有罪評決が言い渡された際に泣き崩れる様など、筆者自身としても見ていて非常に心に残るものがありました。また、裁判中には2名の事務官が証拠資料投影、録画用カメラの操作、評決・アンケート用紙の配布等、終始縦横無尽の活躍をしてくれました。それもあってか事務官に投票した陪審員の方もおり、閉廷後に行われた会員間での結果共有ではこれに事務官自身が困惑する一幕もありました。
2024年度模擬陪審裁判の詳細な結果は以上となります。2日間を通して前年度比3-4倍以上の皆様に裁判をご覧いただき、評決数も前年度の2.5倍に達しました。法廷そのものを大きくした上での開催によって、ひとりでも多くの皆様に陪審員として裁判にご参加いただけたと思います。

また、今年度白門祭における2W01/2W02教室の使用は、茗荷谷白門祭実行委員会の皆様の誠実かつ献身的な協力、幾度とない交渉・調整あってこそ実現したものであり、茗荷谷白門祭実行委員会の皆様には改めて御礼を申し上げる次第です。当会は来年度以降も引き続き白門祭にて模擬陪審裁判を開催してまいりますので、来場者の皆様におかれましてはぜひとも来年度開催の模擬陪審裁判についても陪審員としてご参加いただきたく、茗荷谷白門祭実行委員会の皆様におかれましては来年度以降もぜひ、大教室での企画開催をさせていただけますようお願いしたく存じます。
そして、中学生、高校生の皆さんはぜひ、今回の模擬陪審裁判を含む白門祭の企画やオープンキャンパス等のイベントをきっかけに中央大学 法学部を志望し、中大生として茗荷谷の地にやってきてくれることを、そして、私たち英米法研究会の扉を叩いてくれることをこそ願っています。大学入学共通テストまで1ヶ月が迫り、焦りを感じる時期ではありますが、最後まで自分を信じて日々の勉学に、入試に挑んでいってくださいね。
それでは、閉廷。
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